スポーツ書籍店

古さを感じてしまうのがすごいところ
６年前の本なのに、今読むと、どうしても論の単純さ・硬直感（居付き）を感じてしまう。出た瞬間に読んでおけばわくわくしたろうに、と思って残念に思いました。 今、どれほどの勢いで古武術に関する言説が蓄積され、その知見が更新されているのか、ということを目の当たりにしました。それが自分にとってはこの本を読んだ成果です。ＭＳＸを見てスゲーと言っていたことを思い出したような懐かしさがあります。 筆者もそうなることについては自覚した上で書いているので、この陳腐化は筆者のせいではありません。ましてやヘタな武道家だからそうなったのでもありません。実際ヘタではないしね。 今からこの流れに乗り出そうとする人にとっては、かなりわかりやすい入門の一冊ではないかと思います。
期待して買ったものの・・・
　合気道を学ぶ内田氏と、氏が師として崇拝する多田氏の術技に関するエピソードが極めて乏しいため、二人がどれほどのレベルか皆目見当がつきませんが、少なくとも書面では身体ではなく、頭で考えた武道・武術論を展開しているように感じられます。 　読書中は幾度となく、内田氏と交友関係にある甲野善紀の「できねば無意味」という言葉が浮かんできたほどです。 　内田氏の著作は何冊か読ましてもらってますが、そもそも“頭がいい身体”が、なぜタバコを吸うのだろうと疑念を抱きました。
内田の本としては、イマイチ。
　内田樹の本はいくつか買って読みましたが、それぞれ気づかされる点
がいろいろあって、おもしろい人だなあと思っていました。

　でも、この本に限って言えば、内田という人の売文業的側面が露骨に
あらわれていて、ちょっとがっかりしました。

　いったい、武道論を論じられるほど武道を極めた方なのかどうか、本書

を読んで疑問に思いました。「私は『頭のいいひと』には無条件に敬意を
抱き、『ばか』には無条件で敵意を抱く」と著者は本書で語っています。
それなら現状の認識・到達レベルで武道について著わす「ばか」はやめた
ほうがよかったのではないかと思いました。
生意気言ってすみません。
深遠さの一端はよくわかる
武道それ自体について真摯に語ると同時に、武道を題材にして、深遠なるもの一般についても語っている書物である。
深遠なるものをわかりやすく語ることは、当然難しいわけだが、この書物は明解に書かれており、深遠なるものが深遠であるということ自体は、少なくともよくわかる。